父・駿監督が「ゲド戦記」映画化に大反対だったけど初めてほめた
スタジオジブリの最新作アニメ映画「ゲド戦記」(29日公開)の完成披露会見が6日、東京・六本木のグランドハイアット東京で行われた。宮崎駿監督(65)の長男・宮崎吾朗監督(39)のデビュー作品に、反対していた駿監督から「素直な作り方で良かった。ホッとしました」とエール。さらに「ハウルの動く城」と同規模の約50か国での世界公開が決定。韓国では異例の字幕版での公開も決まるなど、破格の船出となった。
ことごとく対立、昨年8月から口をきいていなかった父・宮崎駿監督から激励メッセージが届いた。デビュー作の完成披露会見で鈴木敏夫プロデューサー(57)から報告された。
「素直な作り方でよかった。ホッとしました」駿監督が自らの作品すべてに影響を受けたと公言するル=グウィン原作の「ゲド戦記」。映画化が決まり、息子がメガホンを執ることに駿監督は大反対。「協力しないし、冷静な意見を言うことができないから見ない」と話していたが、6月28日の初号(スタッフ向けの内覧会)を観賞。1日にスタッフにコメントを寄せた。
「3日間、考えて考えて本当に一言だけだが…」と前置きしながらのコメント。父親のエールを伝え聞いた吾朗監督は「3日間、メシがのどを通らないくらい、相当悩んだけれど(コメントを)聞いて、最後までやってよかった」とあこがれの世界の巨匠からのお墨付きに安どした。
世界の均衡が崩れつつある時代に、王を殺して国を捨てたアレン(岡田准一=25)が、大賢人ゲド(菅原文太=72)と出会い、ともに旅をしていくストーリー。「千と千尋の神隠し」で釜爺を演じた菅原は「オヤジの作品のときより、3倍くらい熱心にやらせてもらった、作品の出来も3倍だと思う」と絶賛。岡田も「この作品にかかわらせてもらって光栄」と喜んだ。
ジブリの最新作ということで、海外も早くもヒートアップ。「ハウルの動く城」と同じ約50か国の世界公開が決定。韓国では8月10日に公開されることが発表された。韓国では海外アニメはほぼすべてが吹き替え版で上映しているが、岡田が属するV6の大人気もあり、字幕版での公開も決定。まさに順風満帆のスタートとなった。PR